家がゴミ屋敷になる原因の1つとして、アスペルガー症候群という発達障害があります。アスペルガー症候群は特定の物事にこだわりを持ちやすく日常のリズムが崩れることを嫌うので、日常生活がルーティーン化しやすいです。
自分のすぐ手の届く位置に物を置いておきたいといったこだわりや、掃除や片付けがルーティンに入っていないことで部屋を片づけられないといったことがあります。他の人からするとズボラに感じるかもしれませんが、アスペルガー症候群は発達障害なので精神疾患ではなく生まれついての特徴です。
とはいえ、アスペルガー症候群だから片づけられないわけではなく、日常生活のルーティーンに掃除や片付けが加わればゴミ屋敷をキレイに片付けることができます。
この記事では、アスペルガー症候群の症状とゴミ屋敷になりやすい理由、ゴミ屋敷を片付ける方法を解説しています。どうしてもゴミ屋敷を片づけられない人は、もしかしたらアスペルガー症候群が原因の可能性もあるため、ぜひ参考にしてください。
アスペルガー症候群の特徴
アスルガー症候群は自閉症スペクトラム症と呼ばれる発達障害の1つです。
アスペルガー症候群の特徴は集団生活を行なっていく社会性の低下、他の人とのコミュニケーション能力の低下、言葉や物事への想像力の低下、他の人への共感性の低下、こだわりの強さ、ニオイや音などへの感覚過敏が特徴です。発達障害といっても知能や言語の遅れはありません。
- 集団生活を行なっていく社会性の低下
- 他の人とのコミュニケーション能力の低下
- 言葉や物事への想像力の低下
- 他の人への共感性の低下
- こだわりの強さ
- 人の話し声や音などへの感覚過敏
アスペルガー症候群の人は、他の人から変わり者と思われていることが多いです。
また、アスペルガー症候群は、不注意・じっとしていられない・衝動的に行動してしまう注意欠陥・多動症(ADHD)を併発していることが多いです。社会性が低下している上に衝動的に行動してしまうので、他者とのコミュニケーションをとることが難しく生活環境が悪くなってしまいます。
さらに、アスペルガー症候群が原因で同居している家族とうまくコミュニケーションを取れず、同居している家族やパートナーが精神的なストレスを感じることがあります。ストレスによって不安感や抑うつ状態のような心身の不調になってしまうことをカサンドラ症候群といいます。
アスペルガー症候群だとゴミ屋敷になりやすい理由
アスペルガー症候群だとゴミ屋敷になりやすい理由は以下の5つです。
- こだわりが強くて物を捨てられない
- 目の前のことに興味を持って掃除や片付けに意識が向かない
- 複数のことを同時に行うことが難しい
- 物事の優先順位を決めることが難しい
- 日常生活のルーティーンに掃除や片付けが入っていない
こだわりが強くて物を捨てられない
アスペルガー症候群の人は物へのこだわりが強いので、自分の気に入ったものや必要と思うものは壊れていてを捨てられないことが多いです。服や靴など日常生活で使用するものだけでなく食べ物や飲み物にもこだわりがあるので、食べ終わったものをゴミと認識していないことがあります。
ゴミをゴミと認識していないため、気づかないあいだに部屋がゴミ屋敷になってしまっている可能性があります。
目の前のことに興味を持って掃除や片付けに意識が向かない
アスペルガー症候群の人は服や靴を脱いだり食べ物を食べた後、他のことに気を取られてしまうので放置してしまいます。何かに興味や関心を持って集中してしまうと、食事の後にゴミが出て掃除や片付けをする必要があっても意識が向きません。
また、どこかに物を置いて後で片付けようと思っても片付ける前に他のことに注意が向いてしまうので、物を出したまま放置してしまって部屋が物で散らかり、気づいたらゴミ屋敷になってしまうこともあります。
複数のことを同時に行うことが難しい
アスペルガー症候群の人はこだわりが強く1つのことに集中しやすいので、複数のことを同時に行うことができません。燃えるごみやプラスチックゴミ、汚れた紙や布のようなミックスペーパーなど細かいゴミの分別を考えて捨てることが難しいです。
また、ゴミを捨てられず部屋が汚くなっても他のことに集中してしまうので、部屋が汚くなっているという自覚がないことが多いです。他の人からすると不器用と思われることも多いですが、あくまでもアスペルガー症候群の特徴の1つです。
物事の優先順位を決めることが難しい
アスペルガー症候群の人は興味や関心をもった1つのことに集中しやすいので、物事の優先順位を決めることが難しいです。部屋のなかにゴミが積み上がっていて掃除や片付けを優先して行う必要があっても他の作業に集中してしまうので、部屋がゴミ屋敷になりやすいです。
家族が一緒に住んでいると掃除や片付けを後回しにするだらしない人間と思われることもありますが、コミュニケーション能力が低下しているので、家族とうまくコミュニケーションが取れずさらに片付けができなくなることもあります。
また、1人暮らしの場合は掃除や片付けをしないで放置してしまうので、どんどんゴミ屋敷になってしまう可能性があります。
日常生活のルーティーンに掃除や片付けが入っていない
アスペルガー症候群の人は家に帰ったら鞄を部屋の決まった位置に置いて、着替えをしたらご飯を食べて何か作業をするといったルーティーンがあります。そのルーティーンのなかに部屋の掃除や片付けが入っていないと、ゴミを溜めてしまいます。
一方で、アスペルガー症候群の人でも掃除や片付けを日常生活のルーティーンにすることができれば、部屋がゴミ屋敷になることを防ぐことができます。
アスペルガー症候群の人がゴミ屋敷を片付ける方法
アスペルガー症候群の人だからといってゴミを片づけられないわけではありません。アスペルガー症候群の人がゴミ屋敷をキレイに片付ける方法は、物を捨てるルールを作る、収納する場所を決めておく、ゴミ屋敷清掃業者に依頼することです。
物を捨てるルールを作る
使えないものやいらないものをゴミと認識していないことが多いので、物を捨てるルールを決めることで物を溜めずに捨てることができます。例えば以下のようなルールを決めます。
- ほつれて糸の引いた服は捨てる
- 食べ残しや飲み残しの物を捨てる
- 壊れて使えないものは捨てる
物を捨てるルールを決めておけば、不必要に溜まってしまっていたゴミを捨てることができるので、ゴミ屋敷になった部屋を片付けることができます。また、ルールを決めておけば部屋を片づけた後にまたゴミ屋敷になることを防ぐことができます。
収納する場所を決めておく
アスペルガー症候群は興味や関心ごとに意識が向くと片付けをしなくなってしまうので、服や靴、食器など、物を収納する場所を決めておきます。服はこのタンスのなか、食器は台所の下など物を収納する場所を決めておくことで、日常生活のルーティーンに入れやすくなります。
日常生活のルーティーンに片付けが入ることで部屋をキレイに片づけられるようになります。また、部屋がキレイになった後もゴミ屋敷になることを防ぐことができます。
ゴミ屋敷清掃業者に依頼する
アスペルガー症候群の人は部屋を片付けるために物を捨てるルールや物を収納する場所を決めておくことが大切ですが、ひどく汚れたゴミ屋敷でどこから手をつけていいかわからない場合は、ゴミ屋敷清掃業者に依頼して部屋をキレイに片付けてもらうことも有効です。
ゴミ屋敷清掃業者であれば服や物、ゴミが散らかっていても、部屋の清掃料金の見積もりを依頼した日から翌日のうちに家にきて部屋をキレイにしてくれます。ゴミ屋敷清掃業者に部屋を1度キレイな状態にしてもらい、部屋がキレイになった後は物を捨てるルールや物の収納場所を決めておけば部屋が汚れることを防ぐことができます。
ゴミ屋敷になった部屋が気になって片付けようと思っても何から手をつけていいかわからない、他のことに気を取られてしまっていつまでも部屋を片づけられないという人は、ゴミ屋敷清掃業者に無料見積もりを依頼してみましょう。